『運』を引き寄せる方法

『運』を引き寄せる方法

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元ヘッジファンドマネジャーの横森一輝が、世界経済・投資に関してあなたの疑問・質問に答えるポッドキャスティング

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vor 11 Jahren
自分らしく生きられないのは 「運が悪い」と考える人が多いそうだ。 今の高齢者は高度成長期など人生において 経済と国から大きな恩恵を受けてきたと 見られている一方、若者は犠牲者だと考えられている。 だが、本当にそうなのか? 「運が悪い」という『結果』には 必ず『原因』が存在する。 その真の原因をわかって行動さえすれば、 あなたは思い通りの人生を歩むことができます。 『運』を引き寄せる方法   音声ダウンロード(MP3) [1月14日収録]   若者の苦悩の原因は政策ではなく運の悪さだ (2014年1月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 英国の社会を分かつのは世代間の格差 英国は他に類を見ないほど階級に縛られた社会だと考える人は、フランスやインド、また、それを言えば米国の東海岸を試してみるべきだ。 また、英国では世界の多くの地域ほどには人種が感情を刺激するテーマにならない。何しろ、この10年間で地元の住民を動揺させたのは欧州出身の他の白人の到来だった。 宗教に関して言えば、信仰心が薄い、または存在しない国民を宗教が分裂させる程度には限界がある。 世代間に大きな断層線 英国の真の断層線は世代間にあり、その度合いはますます強まっている。高齢者はその人生において経済と国から大きな恩恵を受けてきたと見られている一方、若者は犠牲者だと考えられている。 そして、この不平等は、高齢者が免除されている近年の財政再建によって一段と悪化した。デビッド・キャメロン首相は1月5日、国民年金は2020年まで少なくとも年間2.5%ずつ増加し続けると述べ、冬季暖房費支給などの恩恵には手をつけないと豪語した。 その翌日、ジョージ・オズボーン財務相は次の歳出削減を始める格好の分野として、25歳未満の国民向けの住宅手当を挙げた。この対比に若者が気づかないわけがなかった。 若者がベビーブーマーたちを恨んでいるのだとすれば、それは理由があってのことだ。1950年生まれの典型的な人は、戦後の緊縮の記憶がほとんどない。彼らは新たに生まれた福祉国家の下で育った。学問に興味がある人は無料の大学教育を受けられた。そうでなければ、実入りの多い産業界の職業を得ることができた。 いずれにせよ、彼らの職業人生は、生活水準が次第に上がっていく物語だった。恐らく彼らは20代で最初の家を購入した。買った場所がイングランド南東部だったとすれば、その後のキャピタルゲインは、「トリプルロック(三重のカギ)」の年金制度 * 1 が導入される前でさえ、引退生活を送れるだけの額になったかもしれない。 この世代の数の多さと投票に足を運ぶ傾向から、政治家は彼らに取り入ろうとする。「銀の舌」を持つ弁の立つ人は白髪を追い回すのだ。 *1 =物価上昇率、賃金上昇率、2.5%の3つのうち最も高い数字を年金増額率とする仕組み 問題は、我々がベビーブーマーたちの体験を、どういうわけか自然な状態と見なすようになったことだ。つまり、「公平性」の問題として次世代に引き継いでいかねばならない一種の英国人の生得権というわけだ。 我々が望んでいるのは、自分の親たちが送ったライフスタイルだけだと、若者――あるいは少なくとも若者たちの擁護者――は言う。 もう繰り返されることがない奇跡的な好環境を謳歌したベビーブーマー だが、そのライフスタイルは実際、歴史上の例外であり、もう繰り返されることがない奇跡的なほど良好な環境の産物だった。 冷戦時代には、英国が経済的に競い合っていたのは北米、西欧、東アジアの一部くらいだった。中国、インド、ロシア、東欧、そして中南米諸国の大半は、それぞれの国の共産主義や保護主義により競争から締め出されていた。 世界で最も人口の多い国々がグローバルな労働供給に参加していない時には、平均的な英国人労働者に着実に増加する賃金を与えるのはわけもないことだ。 好環境はそれにとどまらなかった。自動化はまだ製造過程の人的要素を減らしていなかった。また、ベビーブーマーは手厚い年金で甘やかす大勢の高齢者を抱えていなかった。 ベビーブーマーは類のない幸運に恵まれた世代だ。彼らに先行した親の世代はケインズの完全雇用を1度も知ることがなく、後に続く後継者たちは世界的な賃金競争から守られていない。 ベビーブーマーたちの経験を、政府の政策を正しく組み合わせて善意をもって当たれば再現できるものと考えることは、見事なまでに効率的に国を破綻させる方法だ。 代弁者より現実を理解している若者たち 社会的態度に関する調査は、若者はしたり顔で彼らの代わりに抗議する人たち以上にこの事実を理解していることを示唆している。1979年以降に生まれた人はベビーブーマーやその前の世代よりも、福祉給付金を賄うための増税を嫌う。また、ベビーブーマーなどよりも財政赤字削減を支持し、国営保健サービス(NHS)を好まず、一般に国に対して疑問を持っている。 自分の職業人生を他人が積み上げた公的債務を払うことに費やそうとしている人なら誰でもそう思うだろう。 もちろん、政府は若者の窮状を軽減できる。計画政策を緩和すれば、やがては、今は賃借人としての暮らしに甘んじている人々にとって住宅所有が達成可能な展望になるだろう。また、緊縮財政の配分を変えれば多少の違いが生まれるだろう。年金受給者にかけるお金を減らし、教育と投資にかけるお金を増やすのだ。 だが、正気の人であれば誰も、ただ若者が十分な数で「投票」し、「組織化」しさえすれば、20世紀半ばの豊かな暮らしが戻ってくるなどとは考えられないはずだ。西側全土で戦後の繁栄を生み出した構造的条件は、どんな政府の能力をもってしても再現することはできない。 若者に対する政治家の義務 各世代は前の世代より豊かにならなければならないとする宇宙の法則は存在しない。規則正しい進展と同じくらい、ショックや逆転、衰退に満ちているのが歴史だ。今の世代の苦難は例外的ではない。前の世代の快適さが例外だったのだ。 若者に対する政治家の義務は、この事実について率直になり、できる限り若者を助け、今の若者が生きている限りずっと彼らにのしかかる古い債務を少しずつ減らしていくことだ。

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