取引不履行となった『ある』穀物、FX取引の恐怖

経済倶楽部の会員の方であれば横森が常々カウンターパーティーリスクがあるから「FXはやるな！」と警告していたことはご存知だと思いますが、遂にそのカウンターパーティーリスクによって取引不履行となった事例が発生しました。 異常気象によって予想外に価格が急騰した『あの』穀物の取引でした。この事例をみれば、カウンタパーティーリスクをもったFX取引の恐ろしさを理解できると思います。 取引不履行となった『ある』穀物、FX取引の恐ろしさ 音声ダウンロード（MP3) [7月23日収録]   穀物取引の契約不履行が増加、世界的な穀物価格急騰で [ロイター 7月20日] 米国の干ばつを引き金とした穀物価格の急騰により、春先などに輸入業者と結んでいた売買契約を不履行にする穀物ディーラーが増え始めている。契約通りに引き渡しを行うと損失が出るためで、エジプトの一部業者の小麦の買い付けが不履行になったほか、リビアへの小麦売却取引も不履行になる可能性がある。 米国中西部はここ５０年余りで最悪の干ばつに見舞われており、トウモロコシ価格は先月には約５０％急騰。大豆は過去最高値に上昇し、小麦相場も急伸している。 市場関係者によると、エジプトの穀物バイヤーに対する一部の取引が不履行になったという。ただ多国籍商社は契約を履行し、不履行問題は中小企業に集中する見込みだ。 ドイツの市場関係者は「６月には、米国のトウモロコシ生産が過去最高になり、ロシアの生産も急増することで世界的に穀物相場が押し下げられるとの観測から、トレーダーが小麦や他の穀物を売っていた」と指摘した上で、「価格上昇は、一部の取引で巨額の損失が発生していることを意味している。トレーダーは引き渡しを行わないだけの価値があるかどうか契約履行保証（パフォーマンス・ボンド）の条件を精査している」と話した。 穀物取引は何カ月も前に行われるのが通例。 一部の穀物取引のパフォーマンス・ボンドでは、不履行の場合に売り手が買い手に取引価値の１割を支払う条件がついている。